改めて孫子に触れる(窮鼠、猫を噛む)

最近、再び孫子を紐解いています。その中に、

囲師(いし)には必ず闕(か)き、窮寇(きゅうこう)には追(せま)ることなかれ。
sourece:孫子:軍争篇 - Web漢文大系

という一文があります。
これは、包囲した敵には必ず逃げ道を作り、窮地に追い込んだ敵を攻めてはいけないといった内容です。
日本のことわざでいうところの、
窮鼠(きゅうそ)、猫を噛(か)む
が近い言葉でしょうか。
この法則は、人とのかけひきなどでも用いられることがあります。例えば、ある人に、Aという行いをさせたい時、A以外の選択肢であるBやC、Dなどを塞ぐことで、Aしかできないようにするという方法です。
この状況、なんとなく今の政治の状況に似ていると感じるのは私だけでしょうか。何かアクションを起こすにも強い反対意見で思ったような人事ができなかったり、解散権を持つも閣議決定で否決されるような雰囲気があったりと、なんとなく、総裁選の流れしかないように思えてきます。そのせいか、最近元気がないように見えるのは気のせいでしょうか?
以前、私は上記のような方法を用いたことあります。しかし、自分で気づかないうちに相手のすべての道を塞いでいたために、大きなしっぺ返しを喰らいました(策士、策に溺れる)。まさに、窮鼠、猫を噛むです(ちょっとした懺悔)。
そうなんです。気づかないうちにすべての選択肢を塞いでしまうと、塞がれた方はフラストレーションが溜まり、まったく予期しない選択肢を選んだり、逆に猛然と襲いかかってきたりすることがあるのです。
そのため、今の状況は個人的に少し危惧しています。まあ、杞憂に終わるかもしれませんが。

  • 再読について

個人的に、本は一度しか読まないスタイルです(理由はそのうち)。しかし、孫子は再び読みたいと思わせる一冊でした。昔読んだ本を再び読むと、新たな発見があると言われますが、今回それを痛感しました。
若い時は、正直、すべての法則を知っているような嫌いがありました。今思うと、本当に情けないと感じます。
もう少年ではないですが、今回は、じっくりと読んでいこうかと思います。また、それに伴った行動も起こしていきたいと思った今日この頃です。

sourece:孫子:軍争篇 - Web漢文大系
sourece:http://bootleg.kota-s.com/?month=200802
sourece:策士策に溺れる(さくしさくにおぼれる)の[意味と使い方辞典]|ことわざデータバンク【一覧】
sourece:「策士、策に溺れる」策士って、誰のことですか? - 元々は、三国... - Yahoo!知恵袋
sourece:「…のきらいがある」「…するきらいがある」という言葉があります。http:... - Yahoo!知恵袋